大阪にある国立国際美術館が、万博記念公園から大阪の中心部、中之島に移転して5年が経つ。今、特別展「絵画の庭─ゼロ年代日本の地平から」を開催していて額縁メーカーの見本市のついでに観て来ました。日本の若い世代を中心に、この10年余りの新しい具象的な絵画に焦点を当てた展覧会。具象的な絵画は、時代を超えた普遍性を持っていますが、90年代半ばから台頭し、ゼロ年代を経てもなお衰えを見せない日本の具象的な絵画の隆盛には、かつてない地殻変動が感じられ、完成作としてのタブローばかりではなく、ドローイングの瑞々しい表現を積極的に駆使し、挿絵や絵本、マンガなどこれまで周縁的なものとして排除してきた大衆文化の養分をも吸収した斬新な作品群も数多く見られました。奈良美智、会田誠、加藤美喜さんたちの作品が凄くよかったですよ。